婆娑羅の玄孫 観劇感想 ~シナリオ・演出編~

宝塚の至宝・轟悠さんの、宝塚での最後のお芝居。

なのにまさかの小劇場公演で、貴重なチケットでしたが、ドラマシティ公演を友人が取ってくれましたー!!ありがたや。
 

ライブ配信は平日で見れず、1回限りの観劇となりましたが(ますます、友よありがとう)、目に焼き付けたものと記憶で感想を書かせていただきます。

※ストーリー展開のポイントになるネタバレはしませんが、概要に触れますので、気にされる方はご自身の判断で読み進みください。


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シナリオについて

一幕全体が壮大な前置き

時は江戸。

質素な長屋で暮らす細石(さざれいし)蔵之介は、非凡な才を持ち、近隣の子供に学問や剣術などを教える、長屋の人気者であった。
だがその正体は、室町幕府設立の立役者・佐々木道誉(どうそ)の子孫。
ただし嫡男ではなかったため、父に捨てられ、長年自由に生きてきた。

そんな蔵之介の元に、ある日、佐々木家が取り潰しになるという噂が届く。

—–

↑このあらすじは、公式HPの公演解説を、実際に観劇して、さらに要点だけに削ったものですが
なんとこれ、二幕の頭までのあらすじなのです!

第一幕・二幕、約1時間ずつの舞台ですが、第一幕は壮大な前置き・・・なのか?

 

では、第一幕はどのような内容かというと
清国語を話す姉弟、麗々と真々の仇討ちをめぐる物語。
(公演解説で、「将軍家の権威を後ろ盾に横暴な振る舞いをする旗本に一矢報いる」と書いてある部分だと思う)

仇討ちというと、恨み渦巻く重い話を想像しがちですが、全編にわたって大変テンポよく、むしろ楽しい物語でした。
宝塚の主役が、こんなに前向きに(?)仇討ちに関わっていいのだろうかと思ってしまうぐらい 笑。

(悪い奴を倒そうとしているのだから、ヒーローとして正しいのですけど、なんだか軽い感じで、普通と違ったのよね)

 

雑誌『歌劇』で、作・演出の植田先生が「一部(一幕のことだと思われる)は徹底的に笑ってもらって、二部は徹底的に泣いてもらう」と話されていた通りの一幕でした。

長屋の皆さんの明るい雰囲気と、蔵之介の明るく優しい人柄、そして両者の間にある信頼関係を存分に感じられる物語で、
これが二幕を「徹底的に泣ける」ものにしているのだと、後から思いました。

正直ね、ご高齢の植田先生作ということで
クラシックすぎて、難しかったりつまらなかったりするんじゃないかと、少し心配していたのですが、まったくの杞憂で。
幕間は「あ~、面白かった!」と明るい気持ちで迎えることができました。

 

そして二幕では、蔵之介の生い立ちの真実と、長屋の人々との別れが描かれます。

一幕で、蔵之介の魅力と、蔵之介が長屋のみんなに慕われていることを十分わかった上でのこの展開なうえに、宝塚を去られる轟さんに重ねまくったセリフなもんだから、これは泣けるよ。

植田先生、うまいわ~~~
 

演出について

下級生が活き活きしていてよい!

(これは、演出でなくシナリオの評価かもですが)

下級生までセリフが多く、活き活きと演じていて、とても楽しそうだったのが印象的でした。
下級生が演じる子役の出番がけっこう多い結果、上級生が複数の役を演じていたのも面白い。
 

轟さんと同じ舞台に立てるだけでも貴重なのに、こんなに出番があるのだから、幸せですね。
全員、殺陣で1回は轟さんに斬ってもらってるそうですし 笑。

みんな、立派に育てよ~ ←誰目線
 

お芝居・歌だけでなく、日本舞踊も楽しめます

日本舞踊を踊りたいという轟さんの希望があったそうですが、長尺の日本舞踊シーンが複数あり、見甲斐があります。
ストーリー展開には影響しないシーンすらあり、これは「お客様へのサービス」とのこと)

これまた、若い星組の皆さんには良い経験ですよね。

そして観客側としては、なかなか気軽に日本舞踊を鑑賞することってできないので、それを叶えてくれる宝塚、貴重だーと感じました。


日本舞踊の名手でいらっしゃった松本先生が昨年退団され、今年、轟さんが退団される。

これから誰が、宝塚の日本舞踊を支えていくのだろう。
そんなことを考えてしまいました。

宝塚歌劇団のことだから、しっかり考えているのでしょうけど。


・・・というわけで
トータルで、満足度が高い作品
でした。

それに轟さんの最後の公演だという貴重さが加わって、観劇後、「いいもの見させていただいた~~」と声に出さずにはいられませんでした。

 

次回、キャストについての感想を書きます。

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