2019年 観劇満足度ランキング ~大劇場公演編~

2019年公演のランク付けも最終回。
タイトルバックの写真は「こんなに階段に人がいないの、珍しい!」と思って撮影した、宝塚大劇場の大階段にしてみました。
宙組「オーシャンズ11」の、宝くじ貸切公演の時でしたが、この日は女性用化粧室も全然混んでいなくて、変な感じでした。
さて、投稿済みの、外箱/小劇場(お芝居)と、ショー編はこちらです。
まずはランキングの基本ルールの確認から。
目次
このランキングの基本ルール
対象となる作品
- 2019年に宝塚大劇場で初日を迎えた舞台で、管理人・まつりが観劇できた作品のみ(ライブ中継含む)
※複数の地域で公演されたものは、一番最初の地域の初日が基準
- DVD/Blu-rayやCS放送(スカステ)だけで鑑賞したものは、含まない
※迷ったのですが、どうしても感動レベルが劇場での観劇に劣るので、同じ土俵には乗せられないと判断しました。
- 芝居・ショーの2本立て作品でも、お芝居のみで評価
※上述の通り、ショーは別にランキングを作成しています。
以上の条件を満たすのは、以下の7作品
- 月組『夢現無双 -吉川英治原作「宮本武蔵」より-』
- 宙組『オーシャンズ11』
- 雪組『壬生義士伝』
- 星組『GOD OF STARS-食聖-』
- 花組『A Fairy Tale -青い薔薇の精-』
- 月組『I AM FROM AUSTRIA-故郷(ふるさと)は甘き調(しら)べ-』
- 宙組『El Japón(エル ハポン) -イスパニアのサムライ-』
初日カウントの基準が「宝塚大劇場」なので、雪組「ファントム」は観劇しましたが対象外。
また、星組「エルベ」は、チケット発売時期にはまだ宝塚にハマっていなかったので買えず
花組「CASANOVA」は、単純にチケット難で買えませんでした 涙。
私の「満足度」のランキングなので、技術レベルやシナリオの品質と単純に比例しているランキングではありません。そして、私の好みが反映されている部分もあります。
そのあたりをご了承いただき、こんな評価をする人もいるんだな~という感じで、見ていただければ幸いです。
では、参りましょう。
長いですが、今回は7作品一気に行きます!
第7位
月組『夢現無双 -吉川英治原作「宮本武蔵」より-』
お話が理解できなかった という、お芝居として残念な理由です。
原作を読んでいないからでしょうか?
日本史に詳しくなさすぎる私が悪いのでしょうか?
お話の盛り上がりがどこかもわからず、とにかく「え?」という感じで終わってしまった初見 苦笑。
2回目は千秋楽ライブ中継だったのですが、見るべきところがズームアップされているからか、初見ほど道に迷うことはなかったです。
また、ライビュだと「舞台の変な使い方」がわからないので、粗がうまく隠されるな~と思いました。
舞台の変な使い方 とは
・美弥さん(小次郎)がただ通過する
・武蔵と小次郎が銀橋をかなりの速度で走り抜ける
といったことです 笑。
それから、歌が少ない。
心の声が多すぎるのも気になりましたね。
あと、月組の皆さんって、もしや和物のお化粧に不慣れですか…?
(大ベテランの美弥さんは、そんなことなかろうと思うのですが)
珠城さん・美弥さん・美園さんとも、いつもの方が素敵だと思いましたよ。
人気の2番手スター・美弥さんの退団公演なのに、そのあたりがまったく考慮されていないのも残念でした。もし私が美弥さんファンだったら、ものすごく悲しい思いになっただろうな。
第6位
宙組『El Japón(エル ハポン) -イスパニアのサムライ-』
贔屓にしている組でも、イマイチだと思ったらイマイチだと評価するのが愛情だと思っております。
ということで、厳しめの6位。
夢現無双ほど、お話が理解できなかったということはないのですが、物語が淡々と進み、何が言いたい作品なのかわからなかった。
無駄に登場人物が多い気がして、もっとシンプルに作ったら面白くなるのかもしれないと感じました。
詳細な観劇感想をいくつか書いたので、そちらもご参照ください。
何が良くて、どこが悪かったんだろう?ここか?あそこか?ともやもやしていたら、感想がたくさん生まれてしまいました 苦笑。
第5位
雪組『壬生義士伝』
たぶんこれは、雪組ファンの方には怒られる評価だろうと思いつつ
私の満足度はここです!
夢現無双に続き、原作を読んでいないせいかもしれないのですが、何を軸に置き、何を伝えたい作品なのかがわからなかった。長編の原作物を題材にする難しさなのかもしれません。
守銭奴と言われる主人公・吉村は、本当は真面目で家族思いの優しい男だった…ということなのかなと思うのですが、描写がいろいろと足りない感じあり。
観劇後に、ファンの方のレビューを読んで「そういうことか!」と思うこともあったりしました。
原作を読んでいなくても楽しめることって、それなりに大切な要素だと思うのですが、どうでしょう?
演者の演技、歌などは、雪組なので何ら問題ありません。
望海さん、真彩さんは、歌だけでなく演技もお上手だし
イケメン新選組が、揃って歌う場面はかっこいいですね! ザ・宝塚!
第4位
花組『A Fairy Tale -青い薔薇の精-』
私が耳にしていた前評判が悪かったので、あまり期待せずに行ったのですが、思ったほど悪くなかったというのが第一印象です。ハードル下げすぎたかな 笑。
かつて薔薇が咲き乱れていた美しい庭に、花が咲かなくなってしまったのはなぜなのか。
再び薔薇を咲かせようという一つの目的の元に、様々な人物が動き、真相を明らかにしていく という筋の通った話でした。
そもそも私は、ファンタジーが割と好きなので、嫌いじゃない世界観だったのですが、普段ファンタジー作品をあまり見られない方には、厳しい設定もあったかもしれません。
ただ、明日海さんの退団公演という点では、やはり残念でした。
もっと、かっこいい明日海さんが大活躍するお芝居だったら良かったのにとは、誰しも思いますよね。
新トップ娘役となった華ちゃんは、声の小ささが気になりますが、制作発表の映像を見て心配したほどではありませんでした。今後の上達を祈りましょう。
華ちゃんの強みは演技だと、確信した作品でもありました。少女から老婆までの演じ分けがとても良かったです。
舞台セットがよくできていたことも印象的です。
空間を感じる庭園の場面(花が咲くととても美しい)と、盆を回すだけで、場面が切り替わる舞台装置。
この盆を使った、妖精たちが棚から続々と出てくる場面で、明日海さん演じるエリュが、棚の隙間(サボテンの後ろw)から出てきたのは目を疑いましたね 笑。
盆が裏返ってから、あの棚はどうなっていたんだと、まじまじ見てしまいました。
第3位
月組『I AM FROM AUSTRIA-故郷(ふるさと)は甘き調(しら)べ-』
前作が酷評の夢現無双で、同じ斎藤先生の演出なので心配していましたが、ミュージカル作品として、素直に楽しめました!
お芝居に強いと聞いていた月組の、本領発揮でしょうか。
モブまで皆が活き活きと演じられていて、良かったです。
詳細な感想は、こちらをご覧ください。
レビューが書いてあると、すごく楽だ…
来年も同じ企画をするなら、レビューが貯まっているはずなので、段違いに早く記事が書けるに違いない。頑張ろう。
第2位
星組『GOD OF STARS-食聖-』
退団公演としては残念だった、第4位の青薔薇に対して、
食聖は、退団公演として大成功だった作品だと思っています。
作者の小柳先生が、よく星組生をご存じということが窺える、キャラ設定だけでなく役名まで演者に寄せたあて書きがぴったりハマり、紅さんが望む「笑って終わりたい」を見事に実現。
「満漢全席どこいった!?」とは思いますが(笑)、ほっこり笑顔になって終われる、素敵な作品でした。
初めて宝塚を見る人が見たら、相当驚くテイストだとは思いますけども、間違いなく、紅さんがいたからこそできた作品でしょう。
(食聖はパクリ作品だというのをちらっと見ましたが、元を知らないので、知らぬが仏ということにしておきます)
次期トップの礼さんに、星を譲るくだりもとても良くて、コメディなのにじーんと泣ける場面でした。
歌はというと、同時上演の「エクレールブリアン」同様、歌がお得意ではない紅さん・綺咲さんでも、比較的歌いやすそうな歌になっており、全編ハラハラせずに楽しめたのも良かったです。
(食聖は、担当のヒャダインさんがそのように作ったと語っていらっしゃいました)
第1位
宙組『オーシャンズ11』
大満足でした~!
さすが再演を繰り返す人気作、ストーリーも演出も最高でした。
その上、贔屓にしている宙組なので、何回も通うことになり、かなりの現ナマを頂かれました 笑
思っていたよりもチケットが取れた上に、当日券も買ったりしたので。
「宙組公演期間に、急に有休が増える女」がここに誕生した。
もー、こんなにスーツが似合う組、他にないでしょう!(贔屓目)
複数回見に行ってもまったく飽きず、毎回「JACK POTいいわ~」「まだ目が足りんわ~」となってました。
毎回のアドリブも楽しみのひとつでした。芹香ジョンソン先生は、ご本人お気に入りの、リコーダージョンソン誕生の瞬間に立ち会えたのは嬉しかった!
登場人物が多く、それぞれにしっかりと見せ場があるので、実力のある演者が複数いないと厳しい作品だと思いますが、専科さんの力も借りずに質の高い作品が提供できたのは、この時の宙組だったからだと思います。
この作品で、頼りがいのある上級生がごっそり退団されたのは残念でしたが、この作品で退団を選ばれる気持ちはよくわかりましたし、やり切って退団される皆さんを見るのは、こちらも嬉しかった。
これまでの宝塚での上演と比べて、今作で2番手ラスティの出番が増えたのは、外部のオーシャンズ11公演を経てダニー&ラスティで歌う「オーシャンズ10」が誕生したことに加えて、1学年違いで、良い相棒感を醸し出せる真風さん&芹香さんだったからだと思う。これは、今の他の組のトップ1&2にはない魅力。とても良かったです。
おさらい:大劇場公演(お芝居)第1位~第7位
第1位:宙組『オーシャンズ11』
第2位:星組『GOD OF STARS-食聖-』
第3位:月組『I AM FROM AUSTRIA-故郷(ふるさと)は甘き調(しら)べ-』
第4位:花組『A Fairy Tale -青い薔薇の精-』
第5位:雪組『壬生義士伝』
第6位:宙組『El Japón(エル ハポン) -イスパニアのサムライ-』
第7位:月組『夢現無双 -吉川英治原作「宮本武蔵」より-』
以上です。
うん、やっぱり 外箱/小劇場の方が、面白い作品が多かったな…。
私なら、シナリオ面で言えば、外箱/小劇場の1~3位は上記ランキングの3位までに入れます。
大きな舞台があって、凝った演出ができて、たくさんの演者がいればいいというわけでもないのですね。
上位3作品のうち、2作品が1本物=約2.5時間の公演で、
別箱/小劇場公演も2~2.5時間の作品が多いので、やはり、じっくり描けることは大きそう。
でも、大劇場公演の一番の枷は、団員が大人数なことかもしれないと気づきました。
ある程度の学年のスターは上手に役を与えたいのだけれど、必要以上に出すと、ストーリーがぼやけてしまう。
先生方も大変なのですね~。
そういった苦労もあるかもしれない、と心にとどめて、これからの作品を見ていきたいと思います。
2019年満足度ランキングを終えて
今さら自分で気づきましたが、全組観劇派だからこそ、書ける記事でした。
満遍なく見ていなかったら、ランク付けするまでもないですものね。
改めて並べてみると、意外な並び順になったところもあったので、私自身は楽しかったです。
私は宙組を推していますが、理由もなく称賛することはないように、意識して書いたつもりでおります。
宝塚初心者で、舞台に関する専門知識があるわけでもない私の記事でしたが、お付き合いいただきありがとうございました。
何かのご参考になれば幸いです。
改めて、2019年はいろいろ見に行けて幸せでした!
関西在住で良かったと、強く思っております。。。
来年も、私を含め、宝塚を愛する皆さんが、ひとつでも多くの公演を見に行けますように!