エルハポン観劇感想(2)~キャスト別感想~

目次
ストーリー・演出等の感想
観劇後、比較的すぐに、速報版として書いた記事と、花組「邪馬台国の風」と比較して記事を書きましたので、そちらをご覧ください。
簡潔にいうと、個人的な評価は「イマイチ」です 苦笑。
主なキャスト別感想(敬称略)
キャラクターの設定に触れるため、ストーリー展開に関する描写があります。ネタバレ回避の方は、ご遠慮下さい。
真風 涼帆(蒲田治道)
上記リンク「邪馬台国の風」との比較にも書きましたが、巻き込まれ系主人公。自らの強い意志を持って何かをしようという意気込みや、キラッキラとした主役感のあるキャラクターではありません。
それでもセンターの役者として華と存在感があるのは、さすが真風さんだな!と感じます。
他の登場人物に比べてお歌が多かった印象ですが(主役だから当然といえばそうなのですが、2、3番手の歌の印象があまり残っていないので・・・)、声量もあり、音程も破たんせず、問題ありませんでした(何様)。
ビジュアルと立ち居振る舞いに関しては、渋めの雰囲気+怪しげな色気を振りまく長髪のサムライ、私は好きです。
そして、過去の場面で髪を束ねているサムライ姿(白鷺の城を思い出す)も素敵。真風さん、和装が似合いますよね。
ポスターは正直、写りが悪いので(←)、皆さん、ぜひ実物を見ていたただきたい! お芝居的にも、メインの衣装はイケてるプレ画像の方なのに。。。残念です。
星風 まどか(カタリナ)
夫が遺した宿屋を、悪代官(違)に屈せず、一人で守り抜く強い女性。
まどかちゃんは、普段は可愛らしいイメージですが、こんなお役でもしっかりハマるのでさすがだなと思います。強い声で言い切る演技、すごく好きです。
銀橋でのソロも2回あり、しっかりとお歌も聴かせてもらえました。
ビジュアルに関しては、もっとかわいく or 綺麗にできるであろうに・・・という、微妙な残念感あり。舞台化粧が上手なジェンヌさんだと思っているので、見せ方が下手というよりは、元々のお顔に、くせ毛と黒めの肌が馴染みにくいのかな(WSSに近いですね)。
以下、まどかちゃん自身の評価ではないのですが
黒い服は、最初、黒いウェディングドレスなのかと思っていた(悪趣味なドンに着せられているのか、今も愛する夫に捧げているのかと)。結構華やかな印象を受けるデザインだし、ヴェールが長い上に後ろに流れてるから、喪服に見えないんですね。
白いウェディングドレスは、ポスターからちょっと思ってましたが、太って見えるかも。。。
芹香 斗亜(アレハンドロ)
前情報からして、謎の人物。
実際のお芝居においても、どこかふわふわとした存在で、掴み切れないキャラクター。
そもそも、登場時間が少ないと思う!!
終盤、これまでの登場の少なさをカバーするかのごとく、一気にキャラの濃さを爆発させますが、急すぎる!
そして、一人だけ方向性が違いすぎるのでは!?笑。
大野先生曰く、キキちゃん(芹香さん)は「ただ立っているだけでも華を感じさせるスター」なので、セリフが少なめなのだろうか。。。
大野先生は彼をどうしたかったのだろう。
相棒に変わった名前(笑)を付ける必要性も感じられないのだけど、、おかしなキャラにしたかったのかな。。。
謎の存在にするために、本来の姿(ネタバレ)からは一番遠いキャラクター設定にして、正体を想像できなくしたかったのかな。
まあ、チャラい雰囲気含め、キキちゃんに合ってましたけどね。
キキちゃんが演じるから、許されたのかもしれない。
演技に関しては、ファンでも最近気になる(批判を通り越して心配になる)滑舌の悪さは、出番が少ないことを置いておいても(苦笑)オーシャンズ11&追憶のバルセロナほどは気になりませんでした。
ビジュアルは良かった!おひげも似合いますね。脚が長くてスタイルが良いから、ボリュームのある衣装も似合う。
彼女も、ポスターは写りが良くないので、ぜひ実物をご覧ください。
帽子を取ると見える、ボリュームのあるパーマヘア+おヒゲ姿は、ダンディな魅力ありです。
歌は、酒場のシーンで1曲ですかね。
オーシャンズ11でも思いましたが、めきめきと歌唱力が上がっている気がする。声量もあって堂々としたお歌。
そしてこの、踊り子を従えて歌う&舞うシーン、素敵で好みです。
英真 なおき (ドン・フェルディナンド)/桜木みなと(エリアス)
この2役は、まとめて評したいので並べさせていただきます。
まず英真さんは、さすがの貫禄。いかにも悪役。はまり役でした。
カタリナに邪な気持を持つには、ちょっと年齢差ありすぎでは?と思うけど、時代的にまったくおかしいことではないでしょうね。
そして、ずんちゃん(桜木さん)演じるドンの息子・エリアスは、
なんだかすごく歪んだ息子っぽくて、最初のシーンでは「コイツ、やばい奴だ」と思ってましたが、結局は、ただのお坊ちゃんなんだろうか?
ラストシーンは妙にかわいい。
もともとハマり役の貴族の青年というビジュアルに加え、前作のベネディクトで培った悪役。合ってました。
チリチリの前髪が顔にかかるビジュアルは◎だし、早口のセリフもしっかり聞き取れてノンストレス。
ただ、ドンがいるせいで、やや小物感が出てしまうのがもったいない。
この2役は、カタリナとの対立を描くために必要な悪役だけど、親子2人を出す必要はなかったような気がしています。
親だけにして、2番手が演じるのが良かったのでは?と思いますが、主役と2番手の関係が、異ルネっぽくなるだろうか。黒い芹香さん、好きなんだけどな〜。
そのほかの印象的な役
和希 そら(藤九郎)
ストーリー上、けっこう重要なお役!
お芝居を通して、一番成長しているのは彼ではなかろうか。
上記の通り、2番手がドンを演じて、息子無しなら、藤九郎が三番手かな。姉を想い、師匠を尊い、純粋でかわいいところもある、良いお役。
→こういった弟設定を考えると、そらくんでぴったりな感じですね。意志が強くて、武術にも長けているキャラクターがハマッていました。
遥羽 らら(藤乃)
セリから現れては、数分後にセリに戻っていく、寂しい存在。
酷い時は、セリから一歩も動かない!
和装のららちゃんがとても綺麗で、もっと見たかったので、治道との幸せな過去シーンが欲しかった!
瑠風 輝(西九郎)
普段の序列を知っており、後輩イメージが付いているので、スカステで事前に「真風さんの先輩を演じる」と聞いていなかったら「若いのに、偉そう。何者だ?」と不思議に思ったかも。2人の学年差を知らない人が、素で見たらどう見えたかを、ぜひお聞きしたい。
でも、堂々とした演技で、決して「後輩にしか見えない」というわけではないのです。
もう少し老けメイクをしても良かったのかも?
何はともあれ、よく通る良いお声と聞き取りやすいセリフで、ノンストレスでした。
そして、わかっちゃいたがお顔が小さい。
着物なので、足の長さはそれほど誇張されていなかったけど。
天彩 峰里(はる)
ドンの農場で奴隷として働いていた日本人少女の一団のリーダー的存在。
力強いキャラクターがよく合ってました。
普段の印象からすると、お嬢様のような役が似合いそうなのに、異ルネのサライでも思いましたが、こう、やんちゃというか元気な役がお上手ですね。というかつまり、演技がうまい。
今回の役のぱっつん前髪の黒髪もかわいいし、歌もうまいし(今回のお芝居では聴かせるような歌はなかったけど)、素敵なジェンヌさんです!大好き。
どうでもいいですが、私はキキじゅり(芹香さん×みねりちゃん)が好きなので
宿屋が襲われた時に、窓から外を覗こうとするはるの頭をポンっとして、「窓から顔を出すな!」と言うアレハンドロ(そして外に戦いに行く)が、おすすめです 笑。
一瞬だけど、Don’t miss it!
その他、つぶやきたいお役
使節団の皆さん
「団」だからそれなりの人数が必要なのだけど、それぞれがキャラ立ちしてなくて、ほぼモブでした。無念。
中では、まっぷーさん(松風さん)とこってぃ(鷹翔さん)が、他よりはまだちょっと目立ってたかな。。。(キャラ立ちしているわけではなく、ただセリフが多めというだけ)
新人公演主演を控えたナニーロ(風色さん)、全然目立たたなかったよ〜 涙。
日本人少女の奴隷の皆さん
それぞれ方言を工夫したりして、キャラを立てようという努力は垣間見れるのですが、ストーリー上必要な役としては、はる(みねりちゃん)とあと1名ぐらい(今回の役付きでは、さよちゃんかな)で良かったかなと。
複数の方言が飛び交うことが「この人たち(日本人とスペイン人)、一体何語で会話しているんだろう」という疑問を抱きやすくしていたと思われます。
※演じている方々に問題はないです!
そして、アクアヴィーテで爆上げの夢白さんが、思いのほか「少女その3か4」という感じで目立たなくてびっくりした。
只野作十郎
本役は七生さんが演じている作十郎。
第1場、開幕直後に、美月さん演じる伊達政宗の横について座っているお役ですが、「新人公演では、この役をおかゆちゃんがするのか!」と、ひとり歓喜していました笑。
おかゆちゃん(輝ゆうさん)、舞台化粧姿がめちゃくちゃ美形なので、みんな見て。
“作十郎は伊達政宗の小姓”というのを事前に調べていたので、新人公演の配役が出た時に、艶やかなおかゆちゃんにぴったりだわと思ったのですが、まさかこんな、開幕直後からじっくりお顔が見える役とは思わなかった。お芝居全編で考えると、出番は少ないけども(涙)