NEVER SAY GOODBYE 観劇感想1 ~シナリオについて~

本題の前に。

星組『めぐり会いは再び』、新人公演主演&ヒロイン発表!
咲城さん&詩さん、初主演&ヒロインおめでとうございますー!
 

咲城さんは組替え前の大仕事(上質な箔付け!)、詩ちゃんは、組替え後の『ジェントル・ライアー』でのヒロイン格(正ヒロインではない模様)から、上げ上げ状態ですね。

劇団的にも期待が高い2人の主演ということになるかな。(新人公演主演の時点で、期待されてる方ではあるのだけど)
楽しみです。

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さて本題は、先日、宝塚大劇場での千秋楽を迎えた 宙組『NEVER SAY GOODBYE』(ネバセイ)の詳細感想その1、シナリオについてです。

千秋楽は配信で見ましたが、配信でも迫力が伝わって、4回目の観劇でも鳥肌&泣きそうになりました。
すでにネバセイロスなので、早くBlu-rayが欲しい!
 

以前、シナリオに限らず、作品全体について思うがままに書いた感想はこちらです。

シナリオの感想

※ネタバレはしていません

世界的な人気写真家ジョルジュは、取材のためにスペイン共和国を来訪。
そんな時にスペイン内戦が勃発するが、ジョルジュは、歴史の真実を記録するため、スペインに残る。ジョルジュに惹かれており、アメリカ人劇作家のキャサリンも、彼と同じものを見たいと言って残った。
歴史を変える大きな動乱に巻き込まれていく2人の運命は…というお話。
 

初演との比較など

小池修一郎氏作・演出の宝塚オリジナル作品で、初演は16年前。
当時の宙組トップコンビ・和央ようかさんと、花總まりさんの退団公演でした。

私は初演を見れていませんが、今回の上演にあたって、改変はほぼないようです。
 

人気の高いお二人に当て書きされた作品のため、現トップ真風さんの初舞台公演という記念作品とはいえ、真風さん・潤花ちゃんが演じるプレッシャーは大きかったと想像します。
 

また、私が見た限りでは、初演は「音楽はいいけど、ストーリーが暗い」といった評価が多かったため、楽しめるかな?と不安に思っていたのですが
 

とても面白かったです!
 

そんな、暗くなんてない。
(これはもしかしたら、令和版で演じ方が変わったところもあるかも?)

決して、夢あふれる楽しい話・明るい話ではないけれど、お話のテンポが良くて見どころだらけですし、戦場においても力強く生きる、人間の力が伝わってくる舞台作品でした。
 

ただ、シリアスな話ではあるので、難しく感じるかもしれません。

キキちゃん(芹香さん)も、初演時は音校生で、難しかったと言ってましたね@ナウオン
そんなキキちゃんも今や、おそらく宝塚の中でも共産主義についての知識が豊富な存在!😄

***

初演との違いについては「初演は、主演お二人のための作品という印象だったが、今回は、それ以外の登場人物の印象も強い。民衆の物語になっていたといった感想を、今回見かけました。 

これは今回、主演のお二人以外も、歌や演技で存在感を出せた結果だと思いますし、今の宙組の「男役詰まりすぎ問題」の影響もあるかな。
  

現在の世界情勢にリンクしすぎなストーリー

もう一つ、民衆の存在を大きく感じることに影響したと思うものがあります。
 

それは、今現在の世界情勢。
ロシアによるウクライナ侵攻の真っ只中であります。
大変似通った状況を描いているネバセイが、心に刺さる。

 

たぶん、この戦争が起こっていなければ、ネバセイを見ても
「なんで戦争してしまうんだろう。話し合えないの?」「民衆が命を賭けるなんて、危険で無謀なことを…」などなど「戦争はヨクナイ」という感想にとどまっていたと思います。
 

でも今、ウクライナの方々が、母国を守るために必死の抵抗をしていることがリアルタイムで伝わってくるために、劇中で、故郷のために立ち上がる民衆の気持ちを察することができる。

戦火に呑まれた異国のジャーナリストも、アイデンティティの一部であるスポーツを捨てて戦いに赴く人も、実際にいらっしゃる。
だからこそ、ネバセイの登場人物が、単なる創作された存在にとどまらず、想いの強さと命の輝きを、より一層感じられたと思います。

 

ネバセイの公演が、なんという時期に当たってしまったのだと思わずにはいられません。

当初の公演期間だと、ウクライナ侵攻開始前からの上演だったのに、コロナの影響で開幕が遅れた結果、ウクライナ侵攻中にしか上演していない(2022/3/18現在)んですよね…。

 

こんな感情を抱いて舞台作品を見ることは、二度とないかもしれないし、あってほしくない。

けれども、今この時期に見たからこそ、登場人物の理解が深まったり、戦争について考えるきっかけになりました。

 

あと、演目が、つい1年前に、同じ宙組で上演したアナスタシア(ロシアが舞台)じゃなくて良かった。
アナスタシア自体は素敵な作品で大好きなのに、今初見だったら、ロシアに対する偏見が入ってしまって、素直に楽しめなさそう。
 

そういえば、現在、ロシアから知識人が出ていこうとしているとか、国外に出るチケットを買うのも大変(買えない理由は異なるけど)というニュースを見て「まんまアナスタシア!」とも思いました。

宝塚を通して知ったことが、他の場面で活きることがあるという、宝塚ファンあるある。
 

ひとこと総評

ちょっと重い話になりましたが、総評は「名作。見てほしい!」です。
私も、何度でも見たい。

劇場での観劇後は、余韻から抜け出しづらくて、しばらく座席を立ちたくなかったもんね。(名作フィナーレに当てられたというのもありますが)
 

シナリオだけでなく、豊富に用意された楽曲がどれも良く、歌唱レベルも全体的に高いので、宝塚以外のミュージカルファンの方にも、安心してお薦めできます。

配信を見たミュージカルファンの方の「レミゼ並みに良い」という感想をTwitterで見た時は、嬉しかった~。
※音楽面の詳細感想は、別の記事に書きます。
 

こんな素晴らしい作品を作り上げてくれた宙組に感謝。
宙組ファンとして、誇らしい気持ちにすらなります。

 

宙組生が全力で表現する、「力に屈せず、想いを持って強く生きる人たちの生き様」を、ぜひご覧ください。

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